先日6月10日、東京ビッグサイトで行われたFOOMA Japan (美味技術研究会主催)において「食事の色彩とおいしさ」について講演いたしました。

食材のみではなく、調理されて出来上がった食事、その食事を引き立てる食器、食環境までも対象とするシンポジウムとなりました。

 食欲をそそる彩りに関わりのない食品はありません。白色である米や麦、黒色であるわかめや海苔、赤色であるトマトや肉、緑色である各種の野菜、黄色であるささ身やチーズなど様々な色が集まって、目にもおいしい食事が出来上がります。このようにたくさんの色に彩られた食事は栄養的にもバランスの取れた「おいしい」食事となります。そのため加工品などの品質を高めるために、調理による退色などの色の変化に関する研究も日進月歩の状況にあります。

今回のテーマは「食品の彩りとおいしさ」とし、両者の関わりを調理・加工、食環境、健康効果、など多面的な視点から話題を提供して頂きました。各界において特色あるご研究、ご開発に携わられている専門家の皆様から最新の知見をご提供頂きました。彩りに関して新しい知見、興味ある知識が提供されたと確信いたします。

食を取り巻く環境を整えることが、食事をおいしくし、食生活の質の向上をもたらします。食卓を飾るテーブルクロスや花、照明や室内の色合い、食器等による演出は食事のおいしさに深くかかわります。食事に欠かせない5色を補うような色合いで食環境と整えることが重要です。おいしさにかかわる色彩を皆さんも考えてみてください。

テーブルマットを変えるだけでも食事はおいしくなります。同じ食器でも印象が変わり

ムードが高まり、食事の味を引き立てます。きれいな紙を一枚お皿の下に引くだけで、全く変わります。是非お試しください。

 
 

2010 美味技術研究会 シンポジウム

食の色彩とおいしさ』

日 時 2010年6月10日(木)10:50~15:50
場 所 東京ビッグサイト
主 催 美味技術研究会
共 催 (社)日本食品機械工業会
協 賛 農業機械学会・日本食品工学会
プログラム
10:50~11:00 開催挨拶 美味技術研究会長,(社)日本食品機械工業会
11:00~11:45 講演(1) 「お米・ご飯の色とおいしさ」
川上 晃司 〔㈱サタケ 食味分析室長〕
11:45~12:30 講演(2) 「野菜の色彩とおいしさ」
稲熊 隆博 〔フードスペシャリスト協会専門委員,カゴメ㈱ 総合研究所 主席研究員〕
12:30~13:30 休憩
13:30~14:15 講演(3) 「食品の色とその変化」
畑 明美 〔京都府立大学名誉教授〕
14:15~15:00 講演(4) 「食器の色彩とおいしさ」
小木曽 順務 〔㈱おぎそ 会長〕
15:00~15:45 講演(5) 「食事の色彩とおいしさ」
片山 直美 〔名古屋女子大学 家政学部 准教授〕

15:45~15:50

閉会挨拶  美味技術研究会シンポジウム担当幹

 

 皆様 お元気でいらっしゃいますか? ずいぶん暑くなってきましたね。 季節の変わり目は体調を崩しやすいですので、十分に健康管理を行って、元気はつらつで生き生きと日々を過ごしましょう。

 本日は、昨年度から行ってきたユニバーサル食についてすこしお話させて頂こうと思います。ユニバーサル食とは嚥下食・介護食だけではなく、子どもから大人まで、全ての人々にとって食べやすい食事に対して用いてゆきたい言葉です。ユニバーサル食であるならば家族の皆が同じ食事を同じ食卓でいただくことが出来ます。今まででしたら子供は子どもの食事、高齢者は高齢者の食事、嚥下障害者は嚥下障害者の食事として、まったく別の食事を作って別々の場所で食べることが多かったと思います。

 確かに食事はそれぞれの方にあった食形態である必要はありますが、もし、同じ食形態で食べることが出来るならば、作り手にとっても、また食べる側にとっても互いに良い結果を生むと思うのです。   作り手にとっては手間が省けて、一度に家族全員の食事が出来ますから、材料の無駄や光熱費の無駄や時間の無駄が省けます。

また食べる側にとっては、家族と同じ物が食べられますから食事を味わうことが出来ますし、同じ食卓を囲むことが出来るのですから家族の団欒が取り戻せます。

「同じ釜の飯を食う」ことは家族の絆を深める最も良い方法であると私は思います。ですから誰でもが食べやすい食事としてのユニバーサル食を目指しているのです。

具体的には魚であれば骨を取り除いた後、身をほぐして再度ゼラチンや増粘剤を用いて形成(洋風にいうならばテリーヌを作るようなものです)して、場合によっては型を抜いてお皿に盛ることでより美しくおいしさを増すような盛り付けをします。乳児の離乳食にも用いることが出来ますし、咀嚼や嚥下に問題のある方々もおいしくいただくことが出来ます。

繊維質の多い野菜に関しても、家庭で用いることができる粉砕機(ミルサー)などを用いて、繊維を細かくすることで、食べやすい状態を作ることが出来ます。 先ほどご紹介したテリーヌのソースとしても利用できます。またそのままスープとしていただいても大変おいしいと思います。

フランス料理はユニバーサル食に大変参考になります。毎日ご家庭でユニバーサル食を作るのは大変ですので、3日に1回位作られてはいかがでしょうか。

これからの季節は太陽の日差しを浴びてビタミンとミネラルを多く含んだ野菜や果物が出回ります。これらの野菜や果物を使ったソースやスープをたくさんいただきましょう。

タンパク質も、肉、魚、卵、大豆、乳製品を上手に用いてからだの再構築を目指しましょう。

 

レタスと鶏肉のテリーヌ (4人分)

<材料>

レタス(ゆで)  70g 、ブイヨンA  70g、塩  少々(好みで適量)、ゼラチンA 3g

鶏ひき肉  80g 、ブイヨンB  40g, 木綿豆腐  120g 、こしょう  少々(好みで適量) 、

ゼラチンB 5g, かぼちゃ(ゆで) 40g ブイヨンC  40g、 塩 少々(好みで適量)、 

とろみ剤(これは手持ちのとろみ剤を用いてください。)

<作り方>

1、レタスは茹でてミキサーにかける。

2、ブイヨンAと1、を混ぜる。塩を加えて味を整える。

3、ゼラチンAを湯せんで溶かして加え、2を冷やし固める。

4、鶏ひき肉をブイヨンBを加えて電子レンジで火が通るまで加熱する。

5、火の通ったひき肉とゆで汁と豆腐をともにミキサーにかけ、塩こしょうで味と整える。

6、ゼラチンBを湯せんで溶かして5、に加え冷やし固める。

7、レタスと鶏ひき肉がどちらも固まったら、レタスの上に鶏ひき肉を乗せた形で皿に盛る。テリーヌが出来上がる。

8、カボチャは茹でてブイヨンCとともにミキサーにかけてソースをつくる。塩で味を整え、とろみ剤を適量加えて硬さを調節してテリーヌを盛った皿に添える。(掛けて下さっても良いです)

 

 

 

 

 

 

 

 

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