「あなたの食物繊維は足りていますか」と聞かれたら、あなたはなにを根拠に判断しますか。

 

 

 もっとも簡単な判断は「毎日しっかり、たっぷり出ているか」です。

大学で教えている頃に、女子大学生の食物繊維の摂取量と排便習慣について調査したことがあります。図はその結果です。50名ほどの学生を便秘群と非便秘群に分けて結果をまとめてみました。便秘群と非便秘群では平均排便回数と排便量でみると確かに違いがみられます。でも食物繊維の摂取量で比べてみると、2つの群に差がありません。自分は非便秘と考えている学生でも、毎日の便量は充分ではありません。

 

 

それではどのくらいの便量が望ましいのでしょうか。15年ほど前に東京農業大学におられた印南教授が食物繊維の摂取量と排便量の間には関係があることを示されました。イギリスの研究者は便量が100g以下となると、食物を食べてから便として出てくるまでの時間(これを食物通過時間といいます)が極端に長くなることを発表しています。これは便秘が進むことを意味します。

 

これらの結果から、1日の便量は150gから200gくらいが望ましいとされています。それは女性ならきゅうり2本です。男性なら3本でしょうか。そして食物繊維の摂取量でみると20gくらいになります。

 

 

 

便秘などおそれるに足らずと考えているあなた、最近女性に痔疾が増えていることをご存じですか。

 

便秘は痔疾を悪化させることは間違いありません。さらに便秘のお腹(大腸)では悪玉細菌がはびこり、肌荒れや老化促進などに繋がります。

 

それに便秘になると排便は苦しい作業ではありませんか。

 

座ったらすーと出る、これが望ましい排便です。

 

 

あなたはダイエットに血道を挙げていませんか。主食として麦飯や全粒粉のパンなど、そしてたっぷりの野菜をしっかり食べることが、便秘解消の決め手です。こうした食事は栄養のバランスも良いのです。

 前回のブログで日本人の食物繊維摂取量が、厚生労働省が示している目標量より不足していることをお知らせしました。その根拠となる図も示しましたが、どんな食品群からどのくらい摂取しているかが分かります。これを見ると、食物繊維が減ってきた最も大きな原因は穀類からの食物繊維の摂取が減ったことが原因です。最近は野菜からの食物繊維摂取が最も多くなっています。

 そこで、私の提案は穀類の改善と野菜摂取が食物繊維摂取の決め手となります。

穀類は

1.ご飯党の人は麦飯がおすすめ。

2.パン党の人は全粒粉のパンやライ麦パンがおすすめ

野菜は

1.煮たり、炒めたり、蒸したりするような野菜を

2.サラダに向く野菜は食物繊維が少ないので、サラダに偏らないように

3.毎食、2皿分を目標に

 

 大麦は精白米の20倍の食物繊維を含んでいますし、生理作用も強いので、お勧めです。

小麦は精白すると食物繊維は大幅に低下しますので、精白しない小麦で作ったパンで食物繊維が摂取できます。穀類の食物繊維含量は図で示しました。

 野菜でも代表的な食物繊維の多いものを図にしました。野菜料理では中華料理がなんと言ってもお勧めですね。写真は昨年夏に私が中国のチベット系病院内レストランでご馳走になった時のものです。見ただけで野菜だらけではありませんか。

 

 

 

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 明けましておめでとうございます。

長い間、ブログをそのままにして申し訳ありませんでした。

これからは出来るだけ新しい食物繊維に関するブログをお届けいたします。

 

日本食物繊維学会の紹介

 

 食物繊維の研究が世界で始まったのは、50年くらい前のことでした。日本では少し遅れて始まりました。栄養や食品に関する学会に所属する研究者がずいぶん沢山の研究を行ってきました。1996年には日本食物繊維研究会が発足し、2004年には学会としました。実は私はこの学会の理事長をしています。現在300名あまりの一般会員と49社の企業の会員で構成されています。昨年11月末には北海道大学で第15回学術集会を行いましたが、新しい研究成果も発表され、これからの発展が楽しみです。

 

   

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学会では、毎年研究を発表する学術集会、一般の方々に食物繊維について知って頂く公開講演会や時には海外の研究者との交流なども行ってきました。写真は2年前に行った学校給食の栄養士さんたちを対象とした料理講習会の風景とその時の献立です。料理の講師は学校給食研究会の豊岡弘子先生です。学校給食では、子どもたちに必要な食物繊維の量を確保するために、栄養士さんたちが大変苦労されています。でもちょっと食材を上手に選べば、難しいことではありません。

 

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あなたの食物繊維は足りていますか?

 便秘は食物繊維不足の危険信号ですよ!

 

 今、日本人が最も取りにくい栄養成分は食物繊維です。

 

 

図は日本人の食物繊維の摂取量の年次変化を示しています。厚生労働省が発表しているデータと池上が計算したデータを基にして作成しました。1960年代ではかなり摂取されていましたが、その後徐々に低下しています。現在成人については生活習慣病を予防するための目標量は男性で19g、女性では17gが推奨されていますが、その70%程度しか摂取されていません。とくに若い世代での摂取が少なくなっています。食物繊維の不足は便秘に繋がりますが、大腸内の環境の悪化、血液中のコレステロールや血糖値の上昇、あるいはメタボリックシンドロームなどの原因とも成ります。将来の生活習慣病予防を考えて食物繊維はしっかり摂りましょう。

 

これから食物繊維とはなにか、食物繊維はどのような役割を果たしているのか、どのように食物繊維を確保するのがいいのか、などを順次お知らせしていきます。

 

食物繊維についての知識をしっかり持って、あなたの健康維持に役立てて下さい。

食物繊維が人の健康に重要な成分として提案されて漸く半世紀が過ぎたところです。

 

1960年代初め、アフリカで医療活動をしていたイギリス人医師たちが

当時西欧では広がってきた生活習慣病がアフリカの人々では珍しいところから、食生活に注目しました。

 

欧米では食品が精製されているのに対し、アフリカでは精製があまり行われないことが原因ではないかと考えました。

 

食品中の不消化な成分が重要な働きをしていると考え、1972年に食物繊維と命名しました。

 

 1970年代には、私は国立栄養研究所(現在は国立健康・栄養研究所と名称変更)で食品成分の分析を中心とした業務にかかわっていました。その中で日本食品標準成分表作成の仕事がありました。

 

その頃、日本の成分表では不消化成分は粗繊維という項目で示されていましたが、現在の食物繊維のごく一部が測られているにすぎません。

 

食物繊維の分析法はまだ確立されていませんでしたので、その検討から始まりました。これが、私が食物繊維の研究を始めるきっかけでした。

 

 

 現在、5訂増補日本食品標準成分表において食物繊維も収載されるようになり、日本人の食物繊維摂取量も計算できるようになりました。

 

国民健康栄養調査の結果からみると、食物繊維は日本人にとって最も不足している成分であることが分かります。

 

食物繊維が十分に摂取できるような食事ではその他の栄養素も確保されています。

 

食物繊維はあなたの食生活のバロメータになるかもしれません。

 

 

 私たち食物繊維を研究している者は、1996年に食物繊維研究会を立ち上げ、その後2004年に学会としました。

 

小さな学会ですが、日本人の健康維持や増進に貢献したいと考え、常に新しい研究方向を模索しています。

 

現在私はこの学会の三代目の理事長です。

 

これから、多くの方々に食物繊維の重要性を知っていただくために、色々な情報をお伝えしたいと考えています。