チョコレートというと日本ではバレンタインデーと結びついていますね。でもヨーロッパでは、それよりも復活祭のイメージが強い。3月から4月にかけてのお菓子屋さんの店先はチョコレートで作った大小さまざまな鳥や卵やウサギで飾られます。パティシエやショコラティエの腕の見せ所。それを見ると、『あ、春がきたんだ!』と実感して、つい買ってしまいます。まず飾って楽しみ、次に割って食べる。そのおいしいこ  と!大きな卵の中には小さなチョコレートが一杯。卵はチョコレートで出来ているとは限らなくて、写真はリモージュ焼きの磁器と、マキシムの洒落た容器。

卵リモージュ焼き.JPG卵マキシム.JPGこれらの容器は本来は宝探し用!草がちらほら生えだした林に大人が容器入りのチョ   コレートやら、ちいさな贈り物やらを隠しておきます。それを子どもたちが林に繰り出して探し回るのです。私も息子が小さかった頃、スイスで楽しんだのですが、フランスの友人が今年子どもとやったと話していましたから、この習慣は今でも健在なのですね。卵チェコ3.JPG

 

もう一つの楽しみは卵の絵付け。写真はその頃スイスに亡命していたチェコ人から貰った卵。当時、帰りたくても帰れない故国を偲んで作ったこの卵を見ていると、国の運命に翻弄された友人のことが思い出されます。

卵草木染.JPGこちらは息子の友人のスイス人のお母さんに教わりながら私が作った卵。森から取ってきた木の皮を煮出した液に、両端に穴をあけて中身を空にした(それが結構大変でした)卵を浸します。その卵は模様が浮き出るように、草の葉などを貼り付けて糸で縛っておく。そんな素朴な草木染めでも30年経った今これだけ鮮やかに残っているというのは驚きです。これらを見ていると当時の様子がいろいろ浮かんできます。

チョコレートはアフリカやインドネシアから輸出されているのに、何故スイスや、ベルギーや、フランスや、オランダがチョコレートやココアで有名なのでしょう?チョコレートの原産地はなんとアメリカ。マヤから伝わって、アステカの昔の王様が金の盃と金のスプーンでチョコレート(ココア)を飲んでいるというのがスペインの記録にあります。その頃はとっても高価な貴重品だったのです。でも今ほど美味しくはなかった筈。ヨーロッパでも最初は王侯貴族の飲み物でしたが、やがてカカオバターとパウダーの分離に成功したり、ミルクと混ぜる飲み方や食べ方が発達したりして、いまのチョコレートになるわけです。原料のカカオは植民地だったアフリカやアジアのプランテーションで生産され、宗主国であり加工技術が優れているヨーロッパに運ばれてそこの特産になったのです。

ところで、"slave free chocolate" 「児童奴隷フリーチョコレート」というのを聞いたことがありますか?カカオ豆の生産に沢山の子どもたちが奴隷と同じような形で使われているので、「そのような労働で作られたチョコレートではないと証明されたチョコレート」のことです。日本でもそういう取り組みが一般化すればいいのですが。

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