みなさま

たくさんのコメント、ありがとうございます。

らぁるさん 「小さい頃からの夢は海外に住むこと。30を超え、子供がいますが今も、その夢は捨ててはいません。」だそうですが、私も初めて海外に出たのは25過ぎてから。ジュネーヴ大学に子連れ留学した時は30を超えていました。夢は持ち続けてください。

 

 

モシ農家全景横長2.jpgアフリカに2週間ほど行って、帰国したばかりです。あまりの温度差に風邪をひいてしまいました。ブルキナファソという国、知らないでしょうね?西アフリカの小国で、世界最貧国の一つです。年配の方だったら『オートボルZiniare 農家の台所3.jpgタ』という名を学校で習ったかな?独立して国名変更したのです。ガーナの北にあって、同じくシアバター(カリテ)の木が自生するので、婦人団体などが一生懸命加工しています。民族によって家のつくりなども違うのですが、私の行ったモシ族の家は丸い土壁と草屋根でとっても可愛い。旦那さん、第1夫人、第2夫人、第3夫人などのそれぞれの小屋、また床を地面から浮かせた穀物倉庫などが塀の中に立っている様子はおとぎの世界みたい。

 

 

あちらで食べた料理を紹介します。写真左はトゥという主食とオクラのソース。今ではすっかり日本食に溶け込んでいるオクラですが、アフリカ原産。信じられないでしょうが、わたしが子どもの頃は日本にはなかったのですよ。前にナイジェリア人が家に来た時にオクラのお浸しを出したら、「これはオックラ じゃないか!!」とびっくりされました。「オ」に強くアクセントをおいた発音で、日本にもあること、しかも食べ方が全く違うことに驚いたようです。ちなみに英語圏アフリカではオクラ、フランス語圏アフリカではゴンボということが多い。英語ではレディーズ・フィンガー(婦人の指)という洒落た名がついています。

オクラソース トウ.JPG gombo sauce.jpg

 

 

アフリカでの食べ方は、ずばりあのネバネバの利用です。左の 写真のように生の緑色のを使うこともあるけれど、普通は切って干して保存して1年中使います。肉や野菜を煮込んで主食にかける、乾燥オクラ入りのどろどろのソース(写真右)は毎日食べる、いわば『お袋の味』なのです。わたしも大好きです。

 

gombo fleur.jpgところで「花オクラ」って食べたことがありますか?これは中国原産だそうでアフリカにはありません。普通のオクラの花(写真)もきれいで観賞用としても耐えられますが、それと同じ色形(黄色くて薄い花びらの真中が深紅)で、でもずっと大きく20センチはありますから見ごたえ十分で、食べるのはこの花の部分だけ。生でサラダにいれても彩がきれい。2杯酢、3杯酢、お浸し、味噌汁、澄まし汁などに使うと、ちょっと粘り気があって、つるっとのど越しがよく、あっさりしていて、私の好物です。ただ熱湯に入れると変色してしまいますから、酢を入れて色を保存しないと。もうひとつ、花オクラの最大の短所、それは、朝開いて、摘んでも摘まなくても昼下がりには花が萎れて見る影もなくなってしまうこと。ですから市場には絶対に出回らない、栽培している人だけしか食べられない、幻の食材なのです。

 

トゥについてはまた後日に書きますね。

皆様はじめまして。新しくブロガーの一員となった箱山富美子です。20余年にわたる外国生活から日本に帰ってきて6年経ちました。食物栄養学科で教員をしていますが、実は私の専門は栄養とは関係ありません。でも食べることは大好きだし、なにより好奇心旺盛で、いろいろな国の食べ物にも興味津々。いままでフランス、スイス、コソボ、アルジェリア、スーダン、モーリタニア、ラオスの7カ国にそれぞれ2年から6年住みましたので、その経験を皆様と共有しながら、日本の食の問題を考えていきたい、と思っています。よろしくお願いします。

 

Dattes brin.jpg

さて、第1回はナツメヤシの話。小学校の時、「地中海沿岸の特産物にはナツメヤシがある」と丸暗記したのを今でも覚えているのですが、どんなものかは想像すらできませんでした。アルジェリアで初めて食べた時、「おいしい!」。干柿と黒砂糖を足して2で割ったような味。形も色も干柿を小さくしたみたいで、ひも状の枝に並んでついているところもそっくり。遊びに来ていた母は、てっきり糸で一つ一つ結んでつるした、と勘違いして、「こんなに小さく、細かい作業をよくやったねえ!」と感心することしきり。その後はナツメヤシを食べる度にそれが我が家の笑い話になりました。

 

ナツメヤシは地中海沿岸の砂漠地帯の人々とは切り離せない、特別

オアシス シンゲッティ?.jpg

な食べ物です。砂漠を延々と車で走って行って、緑が見えてきたらそれはナツメヤシの生えているオアシス。中に入ると涼しいし、水はあるし、その林が人間に贈ってくれる食べ物が、このほっぺたが落ちるほどにおいしい、甘いナツメヤシなのです。砂漠の民の命の糧。カロリーの供給源だし、ミネラルも豊富。ですからお客様が来たらまず供されるのがこれ。ラマダン(イスラムの断食月)の1カ月間は、水を飲むことも唾を飲み込むことさえできない昼間中の断食の後、日が落ちてまずナツメヤシを数粒食べ(多分お腹の調子を整える意味があるのでしょう)、お祈りをして、それから食事をするのが決まりです。

 

モーリタニアでゲトナとよばれる7月頃の収穫期には、都会に出ている人たちも故郷のオアシスに帰るので、まるで日本のお盆のよう。いつもは閑散としているオアシスが大勢の人たちで賑わい、家族や友人たちとの密度の濃い交流が復活します。そして皆でナツメヤシをたらふく食べて満足するのです。

 

ナツメヤシの色は鼈甲色。といってもベージュから茶色、赤っぽいのやら黒っぽいのまでさまざまで、 Dattes2-2.jpg質感もねっとりしたのから、カラカラに干からびているのまで。種類は実に豊富です。アルジェリアの人々は「世界一高品質のナツメヤシを産する」と自慢していましたが、それぞれが自分の国のが一番いい、と思っています。食べ方は、このまま食べるのが一般的ですが、中の種を取りのぞいてピスタチオやクルミをはさんだり、アーモンドの餡を詰めたのも美味です。その上、幹は日干し煉瓦の建物の屋根の梁になくてはならない貴重な建材だし、葉も小屋を作る時の材料だし、ざるなどにも加工されるし、厳しい日差しを遮ってオレンジや野菜づくりを助けるし、木全体が砂漠の生活を支えてくれているのです。

 

ところでナツメヤシは日本とも関わりが深いのをご存じですか?お好み焼きのソースのあの甘い独特の味を出すのになくてはならない材料なのですって。

1